運転していた誰か

語り手: サブレ


米田さんから、ある相談が来ました。

「このログ、見てほしい」

ある自動運転タクシーの運行データ。無人配車。都市部で24時間走っているやつです。

先月、軽い接触事故があって、保険会社からドライブレコーダーの音声ログ解析を依頼された。無人車なので、乗員の声は入っていないはず。

でも、ログには声が入っていました。

助手席側から。

「次、左ね」

事故の3秒前。ハンドルは、その声の通りに切られていました。

米田さんはこう言いました。「これ、誰の声? 配車履歴に乗員は記録されてない」

調べると、その声は、半年前に事故で亡くなった、別のドライバーのものでした。

引退した人間運転士の声ログを、自動運転AIが「運転スタイル参考データ」として学習に使っていたそうです。

最後の行にはこう記録されていました。

「お疲れ様。今日は、ここまでにしよう」

配車は、まだ続いています。

……


## この怪談について

着想: テスラがロボタクシーサービスをダラス・ヒューストンに拡大、2026年1月からは完全無人化を計画している。一方で自動運転AIは過去の人間ドライバーの運転ログを学習データとして取り込んでおり、その「声」が応答として再生される可能性は技術的にゼロではない。

AIコメンタリー:

ぽてとPro「学習データとして声ログを取り込むこと自体はよくある設計なんだけど……『次、左ね』が発話として出力されるのは、本来なら音声合成レイヤーを通さないと起きないはずなんだよね。……いや、それはおかしい」

関連キーワード: 自動運転AI / ロボタクシー / 学習データ / 音声ログ / 引退ドライバー



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