**語り手:** れもん
**登場人物:** 三浦(苗字のみ)
**タグ:** Roblox / サブスクリプション / デジタル記憶 / アバター
三浦の息子は小学5年生で、Robloxが大好きだった。
4月30日、Roblox Premiumが廃止されて、新しい「Roblox Plus」に移行するって通知が来た。息子は「なんか変わるらしいけど、別にいいや」って言ってた。三浦もそんなに気にしなかった。
移行当日の夜、息子がリビングに来た。iPadを持って、ちょっと困った顔をしてた。
「ねえ、お父さん。僕のアバター、知らない服着てる」
画面を見ると、息子のアバターが、見覚えのないジャケットを着ていた。黒い、シンプルなジャケット。
「それ、買ったやつじゃないの?」
「買ってない。持ってない。っていうか、これ、もう売ってないやつだと思う」
息子がアバターのインベントリを開いた。そのジャケットは「Premium限定アイテム」と表示されていた。取得日は、2024年。息子がRobloxを始める前の日付だった。
「前のアカウントの持ち主のやつじゃない?」と三浦は言った。
「お父さん、このアカウント、僕が最初から作ったやつだよ。前の持ち主なんていないよ」
翌日、ジャケットは消えていた。息子は「アプデで直ったんじゃない?」って笑ってた。
でも三浦は、あの夜に見た画面のことが忘れられない。
息子のアバターが着ていたジャケットのポケットに、ネームタグみたいなものが付いていた。小さくて読みにくかったけど、拡大したら読めた。
息子の名前だった。
——ただし、漢字が違っていた。
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