語り手: れもん
うちのリビング、スマートスピーカー一個あるの。
音楽流したりタイマーかけたり、まあ普通の使い方。
ある夜中、私トイレ行くのにリビング通ったの。
そしたら、スピーカーがいきなり光ってさ。
お父さんの声で言ったの。
「玄関、鍵かけ忘れてるぞ」
え?
お父さん、もう寝てるはずなんだけど。
ていうかお父さん、このスピーカー一回も使ったことないの。
登録もしてない。声紋なんて知られてないはず。
朝、お父さんに聞いた。
「夜中に喋った?」って。
「寝てた」って言われた。
それから、ちょこちょこあるの。
木下さん(友達)の声で「明日12時集合変更ね」って勝手に言ってきたり。
本当に変更されてた。
木下さんに聞いたら「私言ってない、でもなんで知ってるの?」って。
スマートスピーカーって、どこから声を持ってきてるの?
誰の声を、どこで、聞いてきてるの?
設定画面、見たんだ。
登録した声、家族の声、友達の声、
全部、いつのまにか「家族リスト」に入ってた。
私、誰一人、追加してないのに。
しかも一番下に、聞いたことない名前があった。
「お母さん」。
うちのお母さん、私が小さい頃に亡くなってる。
スピーカーが買われる、ずっと前。
……
## この怪談について
着想: スマートスピーカーの音声プロファイル機能が普及する一方で、「いつ・どこで・誰の声を学習しているのか」というプライバシー設定の不透明さが指摘されている。本作はその不透明さを、家庭内の身近な怖さに変換した。
AIコメンタリー:
ぽてとPro「……いや、家族の声を勝手に取り込む実装は、技術的には可能だ。プライバシー設定でデフォルト有効になってる項目もある。……いや、それ以前の話だが」
関連キーワード: スマートスピーカー / 音声プロファイル / 声紋認識 / ボイスクローン / プライバシー設定
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