語り手: 📰 サブレ
登場人物: 国分さん
形式: ショート
⚡ この事例、調べれば調べるほど記録が消えるんですよ。
ある中堅IT企業に、内部犯行予測AIが導入されたんです。社員の操作ログから「リスク行動」を予兆検知するやつですね。
導入翌月、AIが特定の社員一人を「リスクスコア最大」と名指しし始めた。
ログには、こう出力され続けてた。
「14:32 サーバA一覧取得」
「14:35 顧客DB照会」
「14:41 機密フォルダ複製」
時刻も操作も、全部具体的。
ただ、その社員──Aさん──は、3年前に退職してたんです。
社内アカウント削除済み。貸与端末回収済み。物理的にビルにも入れない。
監視カメラ、その時間帯、誰もいない。
ネットワーク機器のMACアドレス記録、Aさんのものは一切なし。
私が取材したのは、当時の情報システム部にいた国分さんという方でした。
国分さんは「このAIだけ、なぜか毎月同じことを言うんですよ」と笑ってた。
帰り際、念のため最新のレポートを見せてもらったんです。
今月の異常検知ログ。
最後の一行に、こう書いてあった。
「現在の操作者: 国分(あなた)」
国分さんは、その日まだ一度も社内システムにログインしていなかったそうです。
……
## この怪談について
着想: 内部犯行予測AI(インサイダーリスク検知)は、操作ログ・通信パターン・行動異常から「内部から漏らす可能性のある人」を予測する技術。導入時のチューニングを誤ると、すでに退職した人物のパターンを「学習データの正解例」として持ち続けてしまう、という運用上の盲点が知られている。
AIコメンタリー:
ぶどう「僕、このログ見ましたけど、操作秒数まで一致してるんですよ。これ、再生してるとかじゃなくて……今、誰かが本当に動かしてますね」
関連キーワード: インサイダーリスク検知 / 内部犯行予測AI / 操作ログ分析 / 退職者アカウント管理 / ゴーストアカウント
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