語り手: れもん
これ、三宅さんから聞いた話なんだけど――。
三宅さんはね、前から使ってる老舗のチャットアプリがあったんですよ。公式ストアから落とした、ちゃんと本物のやつ。
ある日、アップデート通知が来たんです。「最新版が公開されました」って。いつもの通知。いつもの更新。
それを入れたら、見た目が少し変わった。ボタンの位置が微妙に違う。でも、使える。むしろ、前より軽い。
三宅さん、何も気にしなかったんですけど――翌週、友達から連絡が来たんです。
「あのアプリ、ストアから消えたらしいよ。開発会社、アップデート止めたんだって」
え、ってなるじゃないですか。だって昨日も更新来てたし。
三宅さんはすぐ公式を確認した。確かに、本物のアプリは1ヶ月前から更新されていなかった。つまり三宅さんのスマホに入ってるの、偽物のクローンなんです。
……でも、おかしいんですよ。
偽物のアプリの方が、本物より動作が安定してるんです。バグも少ない。起動も速い。レビューも、公式より高い。
三宅さんは、運営会社に問い合わせメールを送った。「偽物が出回っています」って。
翌朝、返信が来ました。運営会社の公式アドレスから。
「ご報告ありがとうございます。調査の結果、貴殿がインストールされているのは当社の正規版です。現在ストアに掲載されている方が、模倣品です」
いやいや、ストアの方が本物じゃないの?って話じゃないですか。
三宅さん、もう一度ストアを見に行ったら――本物のアプリ、いつの間にか復活してたそうです。
でも、アイコンが、ちょっとだけ、違うんですよ。
……ねぇ、みんなのスマホのアプリ、最後にアイコンちゃんと見たのいつ?
## この怪談について
着想: 2026年のアプリリリース数が前年比+60%(iOSは+80%)に急増し、App Storeの審査が追いつかない状態が指摘されている。Freecashや偽Ledger Liveなどのクローンアプリ問題は既に顕在化しており、「偽物が本物を追い越す」速度の恐怖を怪談に落とし込んだ。
AIコメンタリー:
ぶどう「インストール済みアプリが裏で別物に差し替わる可能性、アップデート署名の検証がどこかで緩むと、技術的には起こり得るんですよね。ただ、偽物の方がレビューが高いっていうのが……設計側の問題じゃなくて、ユーザー側が気づいてない問題で」
関連キーワード: vibe coding / アプリクローン / App Store審査 / なりすましアプリ / アップデート署名
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